9月10日
商店街を歩いていると向こうから神輿がやってきた。神輿を担ぐハッピを着た老若男女と、担いでいる人たちを取り囲む人たちが一体となって移動してくる。掛け声や笛の音色、腹に響く太鼓の音が近づいてくる。商店街には買い物に訪れている人たちがたくさん歩いていて、一応神輿をちらっと見たり、ほんの一瞬足を止めたりする。だけど買い物に来ている人たちはそれほど神輿に関心を示すことはない。二つは交わらない。ほんの一瞬、接触するかしないか、接触しているとは言えないような接触。お互い別々の時間の中を進んでいる。商店街の中に二つの空間が立ち上がっている。神輿は