Shin Yamagata

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絶対にビショビショになるなと駅から出てすぐに思った。土砂降りだ。家までだいたい半分くらい歩いた時点で膝から下はもう水の中にチャポンと浸かったようになっていた。だからもうヤケクソになっていて、水たまりは避けずに勢いよく踏みつけながら歩いていた。歩くたびに靴の中はグチュグチュと音をたて、靴と靴下と足の成分が混じり合っているような感じが続いていた。濡れたズボンは足にはりつき続け、その感覚は視覚や聴覚を上回り濡れたズボンと素足の接着面が自分になっているような感覚になっていた。そして家に着く頃には少し小降りになっていた。さっきまで道路が川になるくらい降っていたのに。玄関を開けて部屋に入ろうとしたときに濡れた靴下のまま上がるのか、ここで脱いで上がるのか、脱いだところでズボンもビシャビシャだからやっぱりズボンもここで脱いだ方がいいのか、というようなことを部屋の床が歩くたびに濡れていく映像と共に、そのまましばらく玄関で考えなければならなかった。