Shin Yamagata

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自動販売機




早めに到着したときにいつも座るベンチの近くには自動販売機が10台くらい横一列で並んでいて、大きな観光バスやはとバスから降りてきた外国人(白人)の観光客はその自動販売機がめずらしいみたいで、それを写真に撮ったりお金を入れて実際に飲み物を買ったりして、中には煙草を買おうとして買えないから、よく聞き取れない英語でたぶん煙草は買えないのかと尋ねてくる人もいて、英語が出来ないから「カード、カード」と言って指で四角くカードの形を示したりすると、納得したのかしてないのか、とりあえず諦めて去って行ったりして、それで大抵の外国人はコーラとか炭酸の飲み物を買うけど、たまにほうじ茶とか買う人もいて、よりによってなんでほうじ茶なのかなと、もしかしたら缶のデザインで選んでいるのかもしれないけど、ほんとうにほうじ茶が好きなのかどうかなんてのはわかるわけがないから、やっぱりなんとなく買ったのだろうと、そういえば初めて外国に行ったときになんとなく見た目で飲み物を買っていたことを思い出したりするから、やっぱりなんとなく買ったらほうじ茶だったのだろうと思ったりしながら、その自動販売機と外国人のやりとりを眺めたりするのだけど、その日は外国人の観光客はほとんどいなくて、たぶん当分の間こんな感じで、どこかの寂れた観光地にいるような気分になったりて、ここがこんなに閑散としてるのはそれはそれでいいじゃないかと、自動販売機の前で外国人の観光客のふりをして何を買うか迷うような仕草をしてから、はじめから決まっていた缶コーヒーを買った。