Shin Yamagata

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金魚




それにしてもマチスのビーカーの中に入っている金魚の絵をみるとそれは金魚だなと思える。ものすごい適当に描かれている、それは鼻を「く」の字に描くのと同じくらい適当に描かれているように見えるけど、それは金魚だった。でもこれは高野文子の漫画を見ていて思ったことではなくて今書いているときに思ったことだった。マチスはビーカーの中に入っている金魚をちゃんと描いている。適当に描いているようで金魚になっている。実際は金魚になってない。赤いのをビュビュッと描いて目と口に黒い点を描いてるくらいだから、こんなのは子どもでも描けそうな感じがする。これがそれでも金魚に見えるのには何か秘密があるのか。この秘密は絵画の秘密なのか。これは画家だけが知っていることなのか。だから秘密にする必要はない。これは自分で見て金魚に見えるのだから秘密でもないし画家だけが知っていることでもないはずだった。画家だけが知っていることがあるとすればそれはまた別のことなのかもしれないけど、それは画家しか知らないのでわからない。ビーカーの載った机は丸い円だけど、歪んでいる。というか、ビーカーがでかすぎるような気がする。ビーカー以外に植木鉢が二つ机に載っているけど、ビーカーに比べてものすごく小さい。みて貰った方がはやい。http://blog.goo.ne.jp/tomotubby/e/94bab2ed394e0231b35a1b0e6d736d72これが金魚の絵。テーブルのふちの線がビーカーに隠れて見えない部分があるけど、この線はビーカーをどかすと繋がらない。ズレてる。こういうのはセザンヌの絵でもあった。http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/cezanne.htmlこれのずっと下の方にくだっていくと「台所のテーブル(籠のある静物)」、その下の「林檎の籠(リンゴのバスケット)」、この絵も机の線がズレてる。っていうか、違う机になっているような感じだった。これはいったいなんなのか。これが絵だった。
つづく