カーテン

窓際の席は日が暮れ始めると急に冷たい空気にさらされるようになり、窓の外に見えるビルに詰まった人間たちが蛍光灯に照らされている姿は窓際が寒いという苦情に応えて閉められたカーテンによってもう見えなくなっていた。ここは地上からかなり高いところだから余計に寒いのだろうかと思っていると、もう少ししたら暖かくなると思いますから、と更に、空調はビル全体で管理されていて部屋ごとにうまく調節できないないのだと、聞いてもいないことをきちんと説明してくれる仕事のできそうな人が伝えてくれるのだから、この場所にはいつもよく感じるような嫌な空気は漂っていないのだと改めて思い、肩書きや自分の立場を利用していつも威張っているあいつらの顔を思い浮かべて、やっぱりあいつらは腐っていると思っていたけど、あいつらが腐っているんじゃなくてそこにいる自分が腐っているんだと思い直しているところだった。そしてわたしの隣にいる男もかつて別の腐った場所に挑んで腐りかけてそこから這い出てきた奴だったのだと思い出し、腐った場所というのは結局いつまでたっても腐り続けているものなのだろうかと考えているのだった。