Shin Yamagata

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6月4日




久しぶりの暗室はさほど嫌な気持ちもせずに入ることができていたのだけど、さすがに嫌になってくる。梅雨だといっていたのに毎日晴れているから暗室ではなくて外へ出たい。外は気持ちいいだろう。暗室は液温を保持するために冷房を効かせ過ぎていて上着を二枚も羽織っているような状態だから体調もなんだかよくない。フィルムで撮影するとその処理に撮影以上の時間が費やされてしまう。デジタルだと画面を見ながら数値をスライドさせてその都度画像を確認できるけど、暗室では露光して現像液、停止液、定着液へと印画紙を潜らせ、やっと電気をつけて写真を見て、もうちょっと…と思って同じ事をもう一回繰り返し、そうやってできた写真を水洗して乾燥して、とやっている時間があって(その間に物質としての写真を何度も見なければ、扱わなければならない)、それはデジタルで処理する時間とは随分時間の流れ方が違う。デジタルで処理しているときには作業をするたびに画像が変化するのだから、あまりほかの事を考える時間がないのだけど、暗室では作業中にくだらないことから写真のことまで色んなことを考えたり考えなかったりしている。プリントにしてしまえばデジタルと銀塩の違いもほとんどない、なんて言われたりするけど、実際はやっぱり違うなとわたしは思っているのだけど(デジタル、銀塩、どちらにおいても積極的に違うと思う)、デジタルと銀塩で一番違うのは作業をする人間に流れる時間じゃないだろうかと思う。でもまだわからない。まだわたしは本格的にデジタルに取り組んでいない。でも今のところそのように感じている。そしてこの時間が写真に(人間に)どのような影響があるのかないのかもわからない。