Shin Yamagata

お知らせ  zine  Twitter   Instagram


 

1月7日




午前中雲に覆われていた空は午後には雲ひとつない青空に変わっていた。その雲がなくなっていく過程をわたしは見ていたわけではなかった。しかし雲はなくなった。青い空に白いものが小さく見えればそれは飛行機だ。お尻に短い雲を残して音もなく移動している飛行機をわたしは見ている。音が聞こえないほどあの飛行機は高いところを飛んでいるのだ。わたしには鳥の鳴き声が聞こえる。冬になるとよく聞こえてくるあの鳥の声だ。しかし鳥の姿は見えない。あの6階建ての茶色い壁の高級マンションの屋上にその鳥はいるはずだった。