6月16日
晴れているのに薄暗いのは真上に高速道路が通っているからだ。片側三車線もあるから横断歩道がやたらに長い。白人の男女、東南アジア系の団体、それから日本人っぽいけど中国人かもしれない人たちとすれ違う。全員の顔をとりあえず見た。すぐに忘れた。角を曲がり繁華街へ入っていく。チェーンの喫茶店へ入り、カウンターに並ぶ列の最後尾についた。うしろに並んだ背の高い白人女性二人が話す言葉は英語ではない。ロシア語っぽいけど、よくわからない。ホットコーヒーを受け取り、二階へ続く階段を上がっていく。混んでいて衝立のない向かい合う席しか空いていない。疲れているのだから背もたれのある椅子に座りたいのだけど、仕方がない。しばらくすると、うしろに並んでいた背の高い白人女性二人がやってきて向かいの席に座った。甘くてうまそうなものを食っている。帽子をかぶっていない方の女は頬が少しこけるくらい痩せている。モデルっぽい。その女がこちらを見返してきた。なんとなくしばらくじっと見つめ合う。