Shin Yamagata

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5月16日
メガネを買って、翌日には右耳が痛くなり、再度店を訪れ調節してもらうものの、まだ痛い。さらに、前回よりゆるくなってメガネが少しずり落ちてくる。余計に悪くなってしまったのだから、また店に足を運ぶことになった。何度も店に行かなければならないのはめんどくさい。一度できちっときめてくれるベテラン店員さんはいないものか。この店で一番のベテランの人に直してもらいたい、そう正直に伝えた。聞いていた男はその質問を無視して私のメガネを触りはじめた。まさか、あなたがこの店一番のベテランだったのか、とわたしは思うはずがない。不審な目でその男を見る。メガネを外されているからもう男の顔はぼやけている。これもマニュアル化された接客態度なのだろうとなんとなく思った。この人はベテランだ、という人に、かつて、わたしは会ったことがある。その人はメガネをかけている私の顔を見て、耳のあたりを見て、ああ、ここが痛いですね、こちらが何かをいう前に言い当て、目で見て触って調節をして、どうですか? と最後に一言だけ言った。しかし、目の前の男は