Shin Yamagata

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6月25日
「デジタルにないプリントワークの味わい」か。銀塩写真です、ってことなのだろう。デジタルしか見たことのない人が銀塩写真を見て、いったいどんな「味わい」を感じるのかはわからない。味わいを感じたとして、その「味わい」がその人に何をもたらすのかもわからない。「デジタルにないプリントワークの味わい」などと言っている人は決まって銀塩写真に馴染んだ世代だ。わたしもだ。「黒がしまってていいですねぇ~」白黒写真を見て、決まり文句のようにそんなことを言う人をよく見かけたことを思い出す。あれは写真を見ずにプリントの黒のしまりを見ているだけ、その良し悪しの基準も自身で決めたものではなく、その辺に転がっている基準を拾ってきただけ、あるいは、写真がつまらないからそんなことを言っていたのかもしれない、とにかくそんなことを言う人間の言葉は何も信用できなかった。銀塩写真が減っていくにつれて、自身の暗室技術を声高に言いたがる人が増えている気がする。聞かれてもいないのに、身についていて当然の技術をとやかく言いはじめる写真家は、写真を見る人に技術の高さを見せつけたいだけなのだろうか。写真は技術の高さを競うための競技ではない。自身の知識の量をひけらかすために写真があるわけでもない。当たり前の