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7月31日
前回、遅れると言っておきながら時間通りに来た女は、今日は15分も早くに到着した。外で待つにはあまりにも暑いから、駅を出てすぐのところにあるコンビニに入ってアイスコーヒーを注文した。そこへ、待ち合わせしていた男が現れた。男は何も買わず、イートインに腰掛け、女が座ると「ほかの人どう？　ここにおるってメールしてよ」と言って自身は携帯を取り出すことなく、あついあつい、と外の通りを眺めながら文句を言いはじめた。会ってすぐ文句かよ、と心の中で毒づく女は携帯を出してこれからくる二人にメールを送信した。一人は遅れるらしいよ。いつかは自分の生まれ育った県を元気にしたいと、現在、東京でレストランなどの事業の立ち上げに従事している男の話を聞いて、そんなのはおかしい、と文句を言い続けていた男が窓の外を見て手を振った。子供を連れて来た女が到着した。駅前だというのに二人は砂漠を延々と歩いて来たような疲れ切った顔で挨拶をかわし、すぐ飲み物を買いに行った。そうこうしているうちに遅れるとメールを寄こした女が金魚に水草という浴衣を着てあらわれた。今日は近くで祭りでもあるのだろうか、コンビニにいる他の客がそんな目でちらちらと浴衣の女を眺めていた。女はあついあついと繰り返し、座る席がないから立ったまま何かを話し