Shin Yamagata

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7月14日
帰りの急行は座れなかった。次の駅で普通電車と接続していて、見ると、ガラガラだから乗り換えた。急行なら4つも5つも飛ばしていく駅をいちいち停まっていく。いよいよスピードがのってきた、と思ったらブレーキがかかって次の駅に到着する。そのたびに人が少し降りて少し乗ってくる。スマホでゲームをしていた隣のおばさんが降りた。横にずれて端の席に移動した。眠たいのに眠れなかった。イヤホンを耳に差し込み音楽を聴く。冷房が効いている車内なのに湿度が体にまとわりついてくる。雨はあがったのだろうか。歩いている人を見ようとするのだけど高架らしく、建物の壁ばかりが見えて人の姿は見えない。そうこうしているうちに、多摩川を越えた。東京に入った。それにしても時間がかかる。やっぱり急行に乗っておけばよかった。だけど、座りたかった。いかにもな服装の女が中目黒で降りた。中目黒というところがなんとなくそういう服装をした女や男がいそうな場所だ、というのは知っている。東京出身の人が、ああいうところは地方から来た人たちが憧れて住みたがるから、みたいなことを言っていた。都会的なイメージに寄り添って生きていく、そういう選択肢があることすら知らなかった、そのときわたしは嘘をついた。もうすぐ渋谷だ。