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3月7日
夜のスーパーに行くと、夫婦なのかカップルなのか、三十過ぎくらいの二人がティッシュを三つ持ってレジに並んでいた。ティッシュが切れて何日経ったかわからなかった。ようやく手に入れることができると売り場に行くと、棚はからっぽだった。最後の三つをあの二人が買ったらしい。一つに五箱入っているから全部で十五箱。そんなに必要なのだろうか。声を掛ければ、一つくらいゆずってくれるかもしれない。だけど、こういうことでトラブルになるという話もよく聞く。だいたい、声の掛け方が問題だ。バカだと思って声を掛けると、どうしたって非難めいた口調になってしまう。少しでもムカついているような気持ちがあると、そういう顔で話しかけてしまうことになる。心を落ち着け、自分の気持ちを考えてみた。一つだけにしておけよ、このボケが、そう思っているような気がしないでもない。そもそも心を落ち着けて考えてみようと思っている時点で、ムカついていたのだった。いけない、いけない、こんな気持ちで話しかけるわけにはいかない。ケンカ腰で話しかけることになってしまう。きっと何かの事情で十五箱必要な人たちで、