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11月10日
座席がないところに無理やり座席を設けたような車の狭い助手席に座っていた。右手にはコンパクトカメラが握られていた。だんだん歩道を歩く人が増えてきて、増えて増えてどんどん増えてきて、あるところを境にその人たちは群衆と呼ばれる塊となった。日曜日。よく晴れていた。のちの報道で知ることになる11万人以上の人たちが沿道を埋めていた。道路脇のあちこちには紺色の制服を着た警官が立っていた。その警官や歩道を歩く人にカメラを向けた。わたしが乗車した車は警官の指示に従い、どの車も曲がらない道へとハンドルを切った。そこを曲がる許可を得ているようだった。少し進むと、道路は数台の警察車両によって塞がれ、先へ進むことができなくなっていた。並んで警備していた警官の一人がとまれという合図を出した。わたしの目的地はもう目と鼻の先だった。別の警官が護送車のような大きな車に乗り込み、ゆっくりと道をあけてくれる。どうぞ、というよりも、通れ、という感じの指示を出す警官にコンパクトカメラを向けると、