Shin Yamagata

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4月14日
押したり乗ったりを繰り返してようやく国道にまで戻った。後輪を見るとベコンとへこんでいて、あんなにカチカチのタイヤがこんなにもふんにゃりとしてしまうのだと、なんとなく騙されたような気持ちになった。バイク屋と保険屋のどちらに電話しようかと思ったのだけど、まずはバイク屋に電話をした。携帯電話を忘れずに持ってきていて本当によかった。バイク屋のおにいさんに聞くと、保険で無料で運べるということだったので、礼を言って電話を切り、保険屋のフリーダイヤルに電話した。保険屋のおにいさんは新人らしく、うしろで指図されているのがなんとなくわかる。携帯の充電はまだあるし、まあいいかと、たどたどしい対応にのんびり答えていた。無料でレッカー移動できることができるとわかり安心していたところ、最後に、その場所からの帰りに交通機関を利用した際のお金も支払われますので領収書を必ずもらうようにしてください、と言われた。バス停がどこにあるのかわからないけれど、バスはとっくに終わっている時間だった。電車の駅までは峠を越えなければならず、30キロはあるはずだった。まわりに宿があるわけでもなかった。ときどき車が国道を猛スピードで走っていくだけで、