Shin Yamagata

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6月13日
夜中、雨がやんだからツタヤに行こうと思った。行ったことのないツタヤだから事前に地図を確認したのだけど、大きな通りから細い道に入って何度か曲がって線路を越えてまた比較的大きな通りへ入って、というような道で、全然覚えられないから地図のページを開いたパソコンの画面を撮影してから原付で出発した。大きな通りから細い道へ入って1つ目の信号を越えた次の交差点を右に曲がってしばらくまっすぐ、と覚えていたのだけど、道の途中から一方通行になって行きたい方向に行けなくなった。右にしか曲がれないから右に曲がって次の交差点も右に曲がるしかなくて、そして道はまっすぐではなくて緩やかに曲がっていたりするからすぐに方向感覚を失ってしまって、もうどこにいるのかわからなくなってしまった。人間の中には磁石のような人間がいて、どこにいても方角がわかるという人間がいるけれど、わたしは緩やかに曲がった道を歩いたりしているうちにすぐに方向感覚を失ってしまう人間だった。曇っていて月も星も見えないから唯一見えたゴミ焼却場の煙突を目印にせめて元の場所へと戻りたいと原付をそろそろと進めた。いつの間にか線路脇に出ていて、通り過ぎていく電車を見てもその電車が都心に向かっているのか郊外に向かっているのかもわからず、完全に