Shin Yamagata

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8月9日
畑の脇にある藪に覆われた細い道に入っていくと地面が荒れていた。イノシシが掘り返したのかなと思ったのだけど、よく見ると地面にワイヤーが這っている。もしかして、と思って慎重に足下を確認しながら後退した。元の道に戻ったところで、脇の南天の木に白い札がぶら下がっていることに気がついた。かまぼこ板をひとまわり小さくしたくらいの札に書かれた文字を読むと、くくり罠を設置したと記されていた。檻の罠はあちこちで見かけるけど、集落内でのくくり罠ははじめてだった。数年前に、集落のすぐ裏に迫る山にくくり罠が仕掛けてあって、そこに鹿がかかっているのを見つけたことがあった。畑で草をむしっていたおばさんにそのことを伝えるとおばさんはどこかに電話を掛けに家に戻った。撮影を続けてそろそろ引き上げようと思ったところに一台の軽トラが到着した。猟友会のおじいさんらしい。車を降りて、一応、という感じでオレンジのジャケットを羽織って、銃ではなく鍬を手に取った。すぐに乗用車も一台到着した。役場かどこかのおじさんだろうか、