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8月30日
白樺湖までビーナスラインを下っていく。手をあげられるところではすれ違うバイクの全部に手を挙げていく。連なる2台のバイクの男女二人が猛烈な勢い、ウキウキと喜びに満ちた体で、ヘルメットで顔は見えないけれどきっと満面の笑みを浮かべて、体をぐねぐねとくねらせるようにして手を振り返してくれた姿が忘れられない。楽しい気持ちのまましばらく下っていく。白かった視界が晴れてだんだん青空が広がってくる。見晴らしも良くなって前方に比較的きれいな三角形の山が見えてくる。なんとか富士と呼ばれていたとしても不思議ではない山で、山の名前はわからない。白樺湖はなんとなく近づきがたい雰囲気、お金のにおいというか、あまりにも観光地ぽくて素通りした。もう少し先に進んだところでソフトクリームを食べたいと思っていたのだけど、まだ開店まで少し時間がある。女神湖というところに立ち寄ってみた。何が女神なのかはわからない。池というか溜池っぽい女神湖の周りを少し歩いて数枚写真を撮った。それからソフトクリーム。開店を待っていたバイク乗りたちで少しだけ行列ができていた。ナンバープレートを見ると三重から来ているらしい。10人くらいの大所帯。1人で来ているらしい若い女の子は水戸から来ていた。女の子は木の陰でスマホを見ながら1人でずっとソフトクリームをなめていた。あなたたちもわたしも不要不急の外出だった。売り場の裏には牛がいた。牛を見るとつい畠山直哉のように撮りたくなってしまう。数枚撮影してビーナスラインを