Shin Yamagata

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9月14日
階段を上った先にある小さな神社で祭りをやっていた。中心にやぐらが組まれている。まだ盆踊りははじまらない。やぐらの上には誰もいなくて太鼓だけがある。赤くなりかけている空にたくさんの提灯が透けていた。写真を撮った。いかにもな写真になりかけた。鳥居の横では焼きそばが100円で売っている。テキ屋ではなくて、町内会というのか自治会というのか、そういうところのおじさんやおばさんが焼いていた。焼きそばの列に並んでいるとマイクを通した声が聞こえてきた。賽銭箱の横でたよりなさげなおっさんがマイクを握ってしゃべっている。よく通る声で紹介されるのは議員たちだ。区議会議員、元都議会議員、現衆議院議員は秘書が挨拶をした。政治家、としか言いようのないどうでもいい、だけど、やたらと元気な挨拶だった。それにしても、どの議員も自民党だ。こういう場所は決まって自民党なのか。こういう場所に自民党しかいないのがこの国の問題なのか。自民党はどことの関係でここに来ているのかわからないけど、


8月26日
到着してカメラを準備していると、近づいてきた一匹のスズメバチが体の周りをしばらくふわふわとまわった。動いてはいけない、と言われているけど、いつも逃げ出したくなってしまう。コンクリートの細い坂道を上って数枚撮影してから、舗装されていない、人が一人通れる細い坂道へ入っていく。道は平らで歩きやすい。傾斜がゆるんで、三脚を立てようと思ったところに、またスズメバチが近づいてきた。黄色と黒のシマシマ、さっきのより少し大きい。動きを止めて目だけでスズメバチを追う。お腹から10センチくらいのところをしばらくホバリングするように飛んでから離れていった、と思ったら、また別のスズメバチが近づいてきた。低いところを飛ぶスズメバチを目で追っていると、二メートルほど先の地面に青い柿の実がいくつか転がっているのが見えた。そこにまた別のスズメバチがいた。よく見れば、道に転がっているどの柿の実にもスズメバチがたかっていて、全部で十匹以上はいそうだった。体の周りにスズメバチが飛んでいないことを確認してからゆっくりと後ずさりはじめる。すぐ横にも青い柿が落ちているけど、そこにはスズメバチはいなかった。まだほとんど撮影していないのに、

1月22日
ニュースでは都心で23センチ積もったということだったけど、実際歩いてみると30センチくらいは積もっている気がした。傘をさして雪の中を歩いていると、雪かきをしているおばさんと目が合った。すごいですね、となんとなく話しはじめてしまう。普段なら家の前を掃いている人がいたとしても話しかけたりはしないけど、こんなにも雪が降ると自然に知らない人とも話してしまう。少し先には三人の小学生の男の子が雪を投げ合っていた。帽子をかぶっていない一人は頭の上が白くなっている。流れ弾が足元に飛んできた。やばっという顔をした小学生に、どんまいどんまい、と言いながら丸めた雪を投げつけた。外れた。男の子はうれしそうに笑っている。雪を踏む音が聞こえる。子供の声も聞こえる。角を曲がるとチェーンを巻いた車が横を通り過ぎた。車道にも

8月30日
こんなとこで写真撮ってるの? 一人? へー、変わってんな。
パンチパーマをかけたおばさんは右手に持っていたトウモロコシをバイバイという感じで振りながら坂を下っていった。太陽は雲に隠れたまましばらく出てきそうになかった。こんなところまで来てすぐに移動するのはもったいないと思って道の脇に転がっている丸い石の上に座った。雲は二層になっていて、動きの早い濃いめの雲が取れたとしても、どのくらい上空にあるのか見当もつかないその上の層にある薄い雲も