Shin Yamagata

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夕方




台所の横にある窓からオレンジ色の光が差し込んできていて、机の上に乗っている雑多なものに影をつけていた。部屋全体にその光は及んでいて、暗室から出た目にはまぶし過ぎたし、その光の色は間違いなく夕方の何かと関係していた。光が入ってきていた窓の反対側にある窓の向こうからはドッジボールかバスケットボールが地面をトントンと跳ねる音と小さな女の子のキャッキャという声が断続的に聞こえ続けていたのはもう昨日の夕方のことだった。外へ出ると犬を連れて娘と母親が一緒に歩いていた。振り向きざまにカメラを構えたのは彼女たちの背中を照らし続けていた夕日を撮るためだった。そのカメラは小さなデジタルカメラで夕日で輪郭がキラリと光った。角を左に曲がるとガレージのシャッターが半分開いているところからバスケットボールが転がっているのが見えた。ここで女の子がキャッキャとボールをついていたのかもしれなかったし、違うのかもしれなかった。しかしそれは昨日のことだった。