Shin Yamagata

お知らせ  zine  Twitter   Instagram


 

7月7日




雨が降りそうだった。今年の梅雨は雨が多いのではないかと思って歩いていた。歩いている道はここ何年かの間に何度歩いたかわからないほど歩いた道なのに歩くたびにこの道にはもう飽きたと思っていた。普通、毎日のように歩いている道に対して飽きたという感情は湧き起こらない。この段差も飽きた、この家のセメントを塗固めた塀にも飽きた、あの家の庭に植えられたあじさいが青いことにも飽きたし電信柱に貼付けられた質屋の広告にも飽きていた。曲がった先にある洋風の家にはうんざりだし、頭の上にある電線のたわんだ曲線にもうんざりだった。毎日違うはずの空にもうんざりした気分にさせられる。