Shin Yamagata

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足元の水




僕が育った町には小さな川が流れていた。
田んぼもあったし、用水路もあったし、池もあった。
そういう水辺は楽しい遊び場だった。
川では魚が釣れたし、川に入って岩と岩の間に
手を突っ込めば魚を捕まえることもできた。
田んぼにはカエルやミズカマキリやイモリがいた。
いろんな生き物がいて、それをただ捕まえることが
何よりも楽しかった。
小学校の帰り道はよく川を覗き込んできたし、
友達のところへ遊びに行く時は用水路や田んぼを覗きながら歩いていた。
あれからもう何年も経つけど、今でも水辺があると覗きながら歩いてしまう。
本当は顔をあげて周りをよく見ながら歩かないと写真が撮れないのに、
水があるとついつい下を向いて歩いてしまう。
そして何か動くものがあると、それをジッと見てしまう。