僕は2階建てくらいの建物の屋上の端っこに体操服を着て寝転がっていて、
下に見えるグラウンドでバレーボールをしている人たちを眺めていた。
レシーブを失敗したボールが2回僕のところに飛んできたけど、まったく同じ軌跡を描いて飛んできて、
まったく同じように僕はそのボールを掴んで、そしてそのボールを投げ返すことはなく
自分の横に置いて、またバレーボールをしている人たちを眺めていた。
そうこうしていると一斉にバレーをしていた人たちがいなくなってしまい、
僕は慌てて起き上がってどこかへ行こうとした。
すると目の前に汚い黒い服が落ちていて、これはあいつの服だと思い近づいて触ろうとしたら、
その服が眩しく輝きだしてあっという間にその服の中にあいつが現れてしまった。
あいつというのは腐ったライオンの顔をした悪魔の男のことだった。
その腐ったライオンの顔をした悪魔の男の横を黙ったまま通り過ぎようとしたとき、
その悪魔の男に少しだけ触れてしまって、
そしてその悪魔の男と少し気持ちが混じり合ったような気分になってしまったその瞬間に、
その悪魔の男は振り返り僕にこう言った。
「お前は悪魔に心を惹かれているところがあるが、それはいけないことだ。」
草がまばらに生えた砂利だらけの広いところを歩いていた。
目の前にはものすごく高い崖があって、その崖の上に町があるのが見えた。
僕はそこで何をしているのか何をしたいのかもわからない。とにかく崖とは反対側に歩き始めた。
知らない間に足元の砂利は砂に変わっていて、そこに人間の手でたくさん何かが植えられてあったけど、
ほとんどが枯れかけていたし、小さくて成長しそうな気配はまるでなかった。
廃車が山積みになったところの横を通っていると、その廃車の山の向こう側に道があることがわかった。
少し歩くと小さな崖があって、そこを登っていくとその道に出られるような気がして
登って少しあちこちに歩いてみたけど、道へ降りれるようなところはなくて結局戻ることにした。
戻るときに登ってきた崖を降りようとしたけど、足をかけるところも手で掴むところもほとんどなくて、
どうやってこの崖を登ってきたのだろうかと思いながら、下に落ちそうになりながら、
ここから落ちて死ぬんじゃないかとか、ものすごくこわい思いをしながらやっとのことでその崖を降りることができた。
車が一台通れそうな広さの川の中を僕は歩いていた。川は足元も両側の壁もコンクリートで覆われていて、
両側のコンクリートの壁は5メートルくらいあって登れそうな場所はどこにもなかった。
川の水量は少なくて足首が浸かるか浸からないくらいしかなかった。
僕は上流に向かって歩いていた。足元のコンクリートには水草が生えていてものすごく滑りやすかった。
よくみると小さい魚が僕の足元をユラユラ泳いでいるのが見えた。
上からポタポタ水が落ちてきて、その水がものすごく汚いような気がしてとにかく嫌だったけど、
上を見ると水が落ちてきそうなものは何もなくてただ空があるだけだった。
しばらく歩いていると左側の壁にはしごがかかっているのが見えた。
やっと上に上ることが出来ると思って、そのはしごに近づこうとしたけど、
そこは上り坂になっていて、はしごに近づこうとするほどに水草がたくさん生えていて
滑って近づけないようになっていた。僕ははしごを横目で見ながら
「こんなはしごは何の意味もまったくない」とムカつきながら川の真ん中あたりをまた上流に向かって歩いていた。