Shin Yamagata

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前日寝すぎたせいか朝の6時前に目が覚めてしまった。すぐに起きる必要がなかったので、そのまま布団の中で時々目を開けたりしながら、なんとなく聞こえてくる音に耳をすませていた。近くの国道から車の走る音やバイクの走る音が聞こえてくる。子どもの頃は布団の中で鳥の声とか風で木の葉が揺れる音とか、すでに起きている人のたてる音を聞いていた。曇っている日には遠くから電車の走る音が聞こえたりしていた。そのまま布団の中にスッポリ頭を突っ込んで、その中で目を開けてみた。掛け布団と敷布団の隙間から外の光が微かに入ってきている。布団を動かしてその隙間を広げたり狭めたりしながら、入ってくる光の量を調節して遊んでみる。逆光になっているためか、さらに間近で見るためなのか、布団や畳の表面は立体的で生々しく、触ってもいないのにいつもとは違う手触りを感じてしまうほどに見えてしまう。布団から頭を出して天井を眺めてみても白い平面が広がるばかりでつまらない。また布団に頭を入れようとした時、「○○○○○○」と名前のわからない鳥が鳴くのを聞いた。