Shin Yamagata

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ポスター




日差しは8月の日差しと変わらず熱かったが、その時間の光の色は少しオレンジ色を帯びてきているような気がしていた。歩いているからといって目に飛び込んでくることばかりに反応しているわけではない。それでも空が比較的青いとは思っていた。遠くの低いところの雲が少しねずみ色なのがきれいだと思ったりもしていた。政治家のポスターがここになければいいのにと思ったりもするし、この木はこんなに大きかったっけと思ったりもするけど、それでもここではない別の場所のことを考えたりもする。何かを見てそこから連想される別のことではない。それは何の前触れもなくやってきて居座り続けることになる。居座り続けている間、目に何も飛び込んできていないのかといえばそうでもなく、反応しつつ、居座り続けているものの相手をすることになる。居座り続けているものの相手をしつつ、目に飛び込んでくることに反応しているのか。それはどちらかわからない。同時に二つを相手にすることは出来ない。入れ替わりつつ、時間が流れていく。