Shin Yamagata

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7月22日




月曜日だからといって憂鬱な一日が始まるとは限らない。早々と午前中に仕事を終わらせた彼は月曜日は図書館の休館日だということ、行こうと思っていた美術館も休館日だということに思いあたり、ならばまずはコンビニだと出かけたのだった。ルーシーことルフィーの戦っている様子を立ち読みした彼は、来週は休載だということを知り落胆し、缶コーヒーを買ってコンビニを出る。部屋へ戻って布団の上に寝転がり、枕元に積み上げられてある図書館で借りた本の下にあった三年前に買ったまま読んでいなかった本を読み始める。出だしはこうだ。「日曜日だというのに曇っていた。噴水の跳ね上がる水は灰色でそれは空の色だった。京子は赤いハンカチをとり出し、額に滲み出る灰色の汗を拭った。曇っているのに暑い。」