8月4日

1959（昭和34）年に発生し、後に伊勢湾台風と命名された台風15号により引き起こされた山津波によって、その地区の約10分の１の人々の命が一瞬にして奪い去られていたのを知ったのは、山津波が集落を襲った夜が明けてからのことだったと当時のことを話す82歳のおばあさんは赤いリュックを背負って坂を上りわたしの横に腰を下ろしたのでした。週に２回やってくるという移動販売車が停車する場所でわたしは雨宿りをしていたのです。