Shin Yamagata

お知らせ  zine  Twitter   Instagram


 




台風一過ですっきり晴れるのだろうと思っていたら雲が広がっている時間の方が長かった。今日も新しいカメラを持って外を歩こうと思っていたのに、少し歩いただけで太陽が雲に隠れてしまい、しばらく出てきそうにない気配だったので、そのまま駅前の喫茶店へ向かった。持ってきた図書館で借りた本を読み始めると、デジャヴを感じた。書かれている文字を追うごとに頭に浮かんでくる映像が、自分が過去に経験したもののような気がしてくる。この光景、どこか懐かしい、知っている、この景色。もしかして、と思いながら読み進める。やっぱりそうだ、これはずっと前に読んだことがある、もう忘れてしまっていて、また借りてしまった。少しガックリきたけどもう一度読めばまたおもしろいかもしれないと思い、読み進める。読むほどにかつて読んだことを思い出してくる。1時間くらい読んでいるとまた外は日が射していた。本を閉じ、外へ出てカメラを右手に持ったら、またすぐに太陽は雲に隠れてしまった。見上げるとこれまたしばらく雲から太陽は出てくる気配がない。仕方なくカメラのダイヤルをクルクルまわして6000ケルビンくらいにしてみる。そして写真を撮り、画像を確認すると、ちょっと赤がかぶりすぎているような気がした。またダイヤルをクルクルまわす。もう帰ることにした。帰ったところで現像さえできない。