Shin Yamagata

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つづく




前回
佐々木はピンク色のタンクトップを着て水色の半ズボンをはいていた。一緒に歩くのが恥ずかしくなるような服装はやめてくれと言ったのだが、あんたのためにこの格好を選んだのだと言い返してくる。どうしてそれが俺のためなんだ、俺はそんなのは一度も求めたことがなし、そんな格好は俺の趣味でもなんでもない、ただ恥ずかしいだけだと言えば、相変わらずあんたは何もわかっていない、久しぶりに会った人が何も変わっていないというのはよく聞く話だし、そういうのは良いこととして言われたりするけど、あんたは変るべきところが何も変っていないからダメだ、だいたい、求められたことだけをするような女はダメなんだ、こういうことはまわりまわって、結局はあんたのためになるということがそのうちにわかるからあんたは黙っていればいいと、話が少しずれてきていて、こうなるともう何を言ったところでどうにもならないから、はいはいと聞いておくことにする。犬小屋の脇においてあった犬をつなぐ散歩用の青い紐を佐々木が掴んだ途端にビョウンビョウンと跳びはねる佐助にびっくりした。ちょっと俺にその青いのを持たせてくれとその青い紐を受け取ると佐助は俺に向かってビョウンビョウンと跳びはね、前足をペコペコさせて俺の股間の辺りをパンチするようなことをしてくる。それを見た佐々木は喜んで、もっとチンポコを殴りつけろと二人羽織のようにして佐助の後ろに立ち、ペコペコさせている佐助の前足を掴んで俺の股間を佐助の前足で叩こうとしてくる。アホらしいからそのまま黙って無抵抗のままジッとしていると、佐々木はまぐろな男だと言ってつまらなそうに門の外へ出て行ってしまった。
つづく