9月30日

夕方から雨が降り出し、夜には風が強く吹きはじめ、缶が地面を転がる音が窓の隙間から部屋に入り込んできて、そろそろ窓を閉めようと思ったときにはもうカーテンは雨に濡れ、いつも鳴いているコオロギは声を立てず石の下に身を潜め、気温が下がり動きの鈍くなったモンシロチョウは大きな葉の下にへばり付くものの風に飛ばされ絶命し、路地の上空に張り巡らされた電線は波打ち風を切り、ヘッドライトに照らされ輝く路面の上には木の葉やゴミが散乱し、昨日の残りの晩御飯を電子レンジで温め、何ていう映画やったっけ？あんたがおもろいって言ってたの？、とメールを送った大阪に住んでいる友人から返事がこないまま三日過ぎた夜だった。