写真家が10人くらいはいたのだろうか。その10人の写真家を、よく喋る写真家とほとんど喋らない写真家に分けることも可能だし、カラー写真を撮っている人とモノクロ写真を撮っている人に分けることも可能だし、男と女に分けることも可能だし、地方出身者と東京出身者に分けることも可能だ。その写真家の中に一人言葉を操る人間が混じっている。言葉を操り、写真家が10人いるというこの混沌にある言葉をぶち込んで写真を分断しようとする。けれどその分断の仕方に意義を唱える写真家が当然現れる。言葉を操る人間に求められているのは知性ではなかった。理屈ではなかった。
