12月4日

駅前の喫茶店でたまに見かけるクスリでもやっているのかなんなのか目の焦点が合っていない髪の毛がボサボサの中年の男が駅前でターバンを巻いた背の低いインド人に絡みつくように話しかけている。そのインド人は駅から少し離れたところにある赤い看板を掲げたインドカレー屋で働いている若いインド人で左手にはその店のチラシをたくさん持っているのだから駅前で店の宣伝をしている。「これはいないのか？ん？いないのか、これ。」と言って目の焦点が合っていない男はインド人に向かって小指を立てる。その小指は短いのだが女なのだ。その焦点の合わない目の男の横に座るスカートが短すぎて座ると黒いパンツが見えそうになる髪の長い痩せたボインの女なのだ。唇を赤く濡らした女はウイスキーの水割りを一口飲んで目の焦点の合っていない男の口に「あ〜〜ん」と伸びきったパンツのゴムのような声でカレーを運ぶ。