Shin Yamagata

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7月10日




台風が来ているからか体に暖かい水が纏わりついている。空気中の水分が目視できるのではないかというくらい。実際着ている服は湿っている。水気を感じるのだが水を見ることはできない。間もなく飽和状態になり急に自身の目の高さの空間から雨が降り出すのではないかと思えるくらいなのだがそんなことは起こらない。誰もが不快な顔をして歩いている。しかし学校帰りの小学生だけは傘を振りまわしいつもと変わらずはしゃいでいる。駆け出す数人のランドセルを背負った小学生の後姿を見てから女は空を見上げた。