Shin Yamagata

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9月18日




変な雲がやたらと広がっていたけど雨は降らなさそうだったので傘を持たずに外へ出た。ラジオから流れてきた天気予報では降ったり止んだり局地的に雷をともなって…という、雨に当たるか当たらないかは運次第というような予報だった。まだしばらく雨は降らなさそうだと最寄の駅の南口に広がる商店街を目指していると地面が濡れていることに気が付いた。一瞬、誰かが水を撒いたのかと思ったのだが、広範囲が濡れていることから、誰かが水を撒いたのではなさそうだと思い、その時点では雨が降ったのだとは思っていなかったのだけど、次の瞬間に思ったのはこんなにくっきりと雨が降ったところと降らなかったところがわかれるなんて!ということだった。つまり外へ出て歩き始めた頃は地面は濡れていなかったし、家にいたときに雨の降った気配も感じていなかったから、この辺りはまだ雨が降っていないと思っていたのに、ということで、UFOをでっかくしたような黒い雨雲が風に流されながら雨を落としているような絵が頭に浮かび、そしてその雨雲は常に雨を落としているのではなく、ときどき漏らすように、あるいは突然飽和状態になりドバッと吐き出すように雨を降らせている姿を想像したけど、それらしき雨雲は近くに見当たらないにも関わらず、地面の濡れ方はたった今雨が降ったという状態で、後ろを振り返ればすぐ先に濡れていない地面があるのだから境目は明確で、もしかするとやっぱり誰かが水を撒いたのかと思うのだけど、そんな広い範囲にわたって水を撒くとすればそのあたりの近所の人が協力してやらなければならないのだから、こんな東京の近所付き合いの薄れた、共同体と呼ぶには頼りない、しかしながらいざ災害となればなんの名残かしっかりと共同体らしきものが出来上がってしまうのがまだまだ日本なのだった。