■
11月6日
インスタグラムを見ていると、男は女を撮って、女は自分で自分を撮っている場合が多いように思う。これは男社会（暴力 & 搾取）の影響なのか、それとも性差のなんらかの性質の違いなのか、よくわからない。男が自分で自分を撮っていると気持ち悪いと思われがちな気がするも男社会の影響なのかもしれないけれど、女が自分で自分を撮るのは当たり前のことなのかどうかはやっぱりよくわからない。女が自分を撮る写真の多くは男が欲する女のイメージをなぞったような写真が多くて、それはただSNSにありがちないいね欲しさだけなのか、別の理由があるのか、このあたりのことを写真評論家と呼ばれる人たちは当然のようにすっかり論じているのかもしれないけれど、最近そういう本から遠ざかっているから何もわからない、誰か書いているなら読んでみたいのだけど、写真評論家の中には写真をわかりやすく解説するのが評論家の仕事、などと言っている人もいるから（https://pentaxofficial.com/shashinkanoshiten/6785/）、もうそんなことを書いている人はいないのかもしれない、日本に限って、の話なのかもしれない、だから自分で考えるしかない。考えるためには知識が必要だ。今さら知識を仕入れるのはめんどくさい。だからすでにある知識でなんとかしようと試みてみる。セルフポートレートの歴史、と思い返してみるのだけど、セルフポートレートに全く興味がなかった私にはセルフポートレートの知識はほとんどなかった。リチャードアベドン、メイプルソープ、などがまず頭に浮かんできたのだけど、リチャードアベドンはセルフポートレートを撮ってなかった気がする。メイプルソープは確実に撮っていた。世の中的にマイノリティーだと言われている人ほどセルフポートレートを撮っているのかもしれないと思ったのだけど、これは単なる憶測で裏付ける知識が何もなかった。女というだけでマイノリティーだけど、憶測だけで強引に考えを進めていけない、というか、女の子写真ブーム？ の火付け役？ である飯沢耕太郎みたいな奴はどうでもいいのだけど、長島有里枝、ヒロミックス、蜷川みかなどもセルフポートレートを撮っていた。当時あれらの写真にほとんど興味がなかった、つまりきちんと見ていないかったから、それらの写真がどんな写真だかも思い出せないし、
■
11月14日
チーズの盛り合わせがきた。三種類。説明されたけどよくわからない。一つ一つが小さくて切り分けると一つが飴玉くらいにしかならない。搾りたての生乳で作られた、みたいな売り文句のチーズはどんな味なのだろうかと思いながら食べてみる。みんなはおいしいおいしいと言いながら食べているのだけどそれほどおいしいとは思わない。あまり味がない。わたしが知っているチーズではないから何を食べているのかよくわからない。強いて言うなら豆腐だろうか。もう少し食べてじっくり味わいたいと思うのだけど量が少ないから、豆腐？ というところで口の中が空になってしまう。普段からいろいろなチーズを食べていると、このチーズのおいしさがわかるのだろうか。塩があれば、と思ってしまう。これっておいしいの？ と他の人に聞いてみた。当然のように頷くみんなに、味がないんだけど、と言ってみると、
■
2月4日
春一番が吹いたとラジオで言っていたのだけど、確かに風は吹いていたけど、そんなに強くはなかったし、あたたかいとも思わなかったし、こんな風が吹いたところでヒキガエルが卵を産みに出てくるとは思えなかった。知らない間に気温が上がっていたのかもしれないのだけど、夜に外へ出たときには十分に寒くて、絶対にこんな気温でヒキガエルは出てこないと思うのだけど、もしかしたら、とも思ってしまうから池までいってしまそうになるのだけど、やっぱりまだ二月のはじめだし、出てくるわけがないと思って、駅近くのドラッグストアに向かうことにした。ドラッグストアに向かいながらヒキガエルのことを考えていると、何を買いに出たのかを思い出せなくなったからまずは洗濯機の周りをイメージして、次は台所、その次はトイレと
■
11月14日
山頂は人で混み合っていた。わたし以外の5人が売店に並んでビールを買っている間に、どうにか6人分の隙間を見つけて確保しておいた。すいませんすいませんと割り込むように座り込んで5人はビールを飲み始めた。地上で買うよりは高い値段なんだろうけどいくらだったのかは聞かなかった。わたしはおやつを持ってきていたけれどお腹の調子が悪いからそれらのおやつをみんなに配った。特に何をするというわけでもなく、人の飲み食いを見ながら何かを喋っていた。下りはどのルートから下るのかという話は聞くだけで参加はしなかった。山頂にはトイレもあった。わたしはトイレに行った。もう一人の女もトイレに行った。トイレには行列ができていて、特に女の方が時間がかかった。あとの人たちはトイレにいかなかった。ビールを飲めばおしっこがしたくなるということにそのときは誰も気づいていなかったから、山を下っている途中で
