Shin Yamagata

お知らせ  zine  Twitter   Instagram


 








歩いていた。そこは東京の街並だった。中学生の同級生数人がその当時の姿で先生と一緒に歩いているのが見えた。みんな白い服を着ている。僕は近付いてその集団に加わった。挨拶をしてもみんなよそよそしく僕とはしゃべってくれない。急に雨が降り出した。僕はみんなより先に急いで少し先のガソリンスタンドまで行き、屋根の下で雨をしのいでいた。僕は手に持っていた長い棒で地面をこすっていた。同級生と先生が追い付き僕の前を通り過ぎようとした時、前から来た別の集団とその同級生達はぶつかった。誰も避けようともせず真っ直ぐに歩いているからぶつかった。一番ぶつかっていたのは先生で、相手の胸のあたりに顔を押し付けて、でもそれが誰かにぶつかっていると気付かずに顔を相手の胸に埋めたまま、他の生徒に僕の悪口をひそひそと話していた。相手の集団は白と紺色の細い縦じまの服を着ていた。
教室の中にいた。隣に高校生の時に付き合っていた彼女が座っていた。朝の朝礼が始まった。先生はさっきの先生と違っていて若かった。眼鏡をかけている。僕は教室の一番後ろの窓側から3列目くらいのところに座っていた。先生がなにか話した後、最後に黒板に字を書きはじめた。「山方伸君を中傷しない」と大きく書いた。僕はびっくりした。そして怒りが込み上げてきた。僕は立ち上がり「なんて言われているんですか!」と大声で叫んだ。クラスの誰かが「写真のことなんて何もわかっていない」と言った。「わかってないのはお前らや」と心の中で思って悲しい気持ちになった。「誰や!、出てこい!名を名のれ!!」と僕は怒鳴った。誰かが「みんな言ってる」と言った。僕は彼女の方を見た。普通に座っていた。クラスの全員が振り返り僕の方を見ていた。カバンを机のうえに叩き付けて僕は教室を出て隣のクラスに行った。「誰や、出てこい!!」と隣のクラスで叫んで僕は誰か男の胸ぐらを掴んだ。僕は胸ぐらを掴みながら何かを言っていた。気がつくと、その男はサルのぬいぐるみだった。「ああ、ぬいぐるみでよかった」と僕は内心安心していた。僕はそのぬいぐるみを投げ捨て、また別の誰かに向かいはじめていた。