Shin Yamagata

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11月9日




ごぼうは…」
「ああ、半分に折って下さい。」
「ポッキンでもいいですか?」
「いいですよ、ポッキンで。」
ボキッ。
「あらら、土が出ちゃった、ごめんなさいねー。」
「全然大丈夫です。」
「あ〜、ごぼうのいい匂い。ごぼう、いいわね!」
「はぁ。」
「わたしもこないだきんぴら作ったから。」
「ぼくもきんぴらにしようかと思ってます。」
「そうなの?砂糖を先に入れるとおいしいから。」
「いつもそうしてます。」
「あら、料理上手なのね。」
「そんなことないですけど。」
「ありがとね。またよろしく。」
「はい、どうも。」
青森県で育ったごぼうは東京で一本百円で売られている。そして青森県の土は東京のスーパーのレジ付近の床に落ち、誰かの靴の裏にくっ付いてまた他県へと運ばれた。