Shin Yamagata

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4月19日




風が吹けば桜の木から花の「カス」が落ちてくるものだからそのカスが頭の上に乗っていたり髪の毛の隙間に入っていつまでも頭に付き続けている人を駅に向かって歩いている途中の道ですでに散々見てきた彼女は自分だけはあんな風になりたくはないと桜の木の下を避けて歩くのだが風に乗ってどこからともなく降り続けるカスは彼女の頭の上にもやはり落ちてしまう。桜も散ってしまえばただの木じゃない、咲いている間はあんなに木の下に集まっていた人も葉が出始めると見向きもしないなんて、そしてまた一年後の今頃になって今はじめて気付いたような顔をして花を見上げる、わたしはそんな人間になりたくはない、彼女は