Shin Yamagata

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6月6日
由良さん(由良環:http://yuratamaki.net)の展示みた。表参道画廊、羽田、モノクロ。壁面でそれぞれ様子が違う。違うということはわかるけど、その違いが何かまではわからない。モノクロのプリントは黒く、肉眼で見る風景とはすでにまったく別物になっている。そんなことを言えば、写真そのものが肉眼で見るのとはまったく別物なのだけど、だからモノクロで、さらに黒いからといって肉眼で見る風景とはまったく別物になっている、なんて書いてしまうのはやっぱりおかしいかもしれない。最初に展示されている写真に写る空はどんどんなくなっていき、カメラは下へと傾いていき、最後は画面を斜めに横切る波打ち際の写真になる、そのことに何を感じるかといえば、特に何も感じない。この写真はむつかしい。本人の話では羽田ということはだんだん薄れていき、場所よりも、内面へと向かっていった、ということだった。内面(もう少し聞けば、『無意識』というような言葉を使っていた)。これはむつかしい。その後、田山さん(田山湖雪:http://tayamakoyuki.com)とのトークも聞く。田山さんは小さな冊子(http://tayamakoyuki.thebase.in/items/6635371)を出したらしい。
隣の洸野新という人の「呼吸」もみた。ガラス越しにみて、ちょっとよさそうって思った。小さなスペースに入って写真をみる。新緑。新緑、と言ってはいけないような新緑。だけど新緑には違いない。東京湾岸とあるから埋立地か。わたしに馴染みのある山の緑とは随分違う。フレーミングが少し変で、その変さがおもしろい。これからもふっとなっていく植物のそのもふっとした感じがすでに漂っている。植物の葉の色にむらがあるのは植物のせいではなく光のせいだ。空の色がすっきりとしない水分を多く含んだ天気、晴れの日を背景に緑が光っている。みているとだんだんおもしろくなってくる。時間があればもう少しみていたかった。