Shin Yamagata

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12月31日
夏目漱石の「私の個人主義」を読んだ。「大正三年十一月二十五日学習院輔仁会において述」とあるからもう百年以上前のことになる。ここに書かれている内容は今のこの日本で暮らす人々の生活にほとんど浸透していない(と思える)。むしろ書かれていることと逆のことが目につく。だから夏目漱石が書いていることを来年は実践していこうと思って本を閉じて布団に入ったら除夜の鐘の音がかすかに聞こえていた。足元の湯たんぽを端っこに蹴っ飛ばして、鐘の音を三つまで数えたけどそのあとは眠ってしまった。起きた時にはもう本の内容を覚えていないだろう。