Shin Yamagata

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11月30日
小さな窓から立ち上る煙の向こうでは、肌が黒く口元にたっぷりと髭をたくわえた男が串に刺した鶏肉を慌ただしくひっくり返している。黄色い看板には見慣れない文字。真っ白に照らし出されるショーケースの中にはスマートフォンがずらりと並び、店頭にしゃがみこむ男と女がスマートフォンを触りながら鶏肉をかじっている。スマートフォンから顔をあげてこちらをじっと見る男を見ないようにして、男の脇をすり抜け店のドアを開ける。カウンターの中にいる店員はこちらを一瞥しただけで、客らしい男と聞きなれない言葉を使って会話を続けている。店内には見慣れない商品が棚を埋め尽くし、