Shin Yamagata

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11月11日

改札を出ると、どこかのビルの窓からの反射光が駅構内にわずかに入り込み、暗闇に浮かび上がるその光に照らされる人々の顔が次々と入れ替わっていく様子は映画を見ているようで、その見え方はきっと電車を降り改札を抜け出て広い場所へと出ようとしている気分と無関係ではないのだけど、向かう先が仕事場だということがどことなく心に引っ掛かりを作っていて、なんとなく中途半端な気持ちだったのだけど、カバンに入っていたカメラを取り出し、その光へ向けてシャッターを押す。光の硬さに季節を感じる。駅を出て街路樹からの落ち葉を踏んで歩道を進んでいく。右手は落ち込んでいて民家の屋根や物干しを上から眺めることができる。一番落ち込んだところに建つマンションの屋上と歩道がちょうど同じくらいの高さになっている。