Shin Yamagata

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10月20日
買い物へ行く途中の線路脇の公園に、飛び跳ねながら電車に向かって懸命に小さな手を振る男の子がいた。小学校にあがる前くらいの小さな男の子。黄色い服を着て赤い帽子を被っている。電車の運転手に見つけてもらいやすい格好をと親が着せたのかもしれない、と思ったのは買い物帰りのことだった。男の子はまだ公園にいて次の電車はどっちから来るのだろうかと左右をキョロキョロと眺めていた。近くの踏切が鳴り出し電車が見えはじめると、男の子はまたぴょんぴょんと飛び跳ね、大きく手を振りはじめる。公園にいる他の大人たちもその光景を微笑ましく眺めている。電車が近づくと、おそらく手を振る男の子に向かって、電車がファ、ファーンと汽笛というのかホーンというのか、音を鳴らして通り過ぎた。父親の方へ振り返った男の子の顔は