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10月14日
鳥の声、というか、三羽以上のヒヨドリの鳴き交わす声で目が覚めたのだけど、起きるにはまだ早いと思って目を閉じた。鳴きやまないヒヨドリの声に結局は起き上がって物干しに出た。下の自転車置き場を囲む塀の上にいたらしいヒヨドリが下を覗き込むこちらの気配に気づいてぱっと飛び立った。塀の上に残った一羽は羽がむくむくと膨らんでいる気がするから見た目は大人だけどまだ子供なのかもしれない、などと思っている間に、飛び立っていたヒヨドリたちがぱらぱらと戻ってきた。全部で四羽。それからトイレに行ったり顔を洗ったりしている間もヒヨドリは鳴き続けていたのだけど、そのヒヨドリの声の向こうから女の人の声が聞こえるようになったからまた物干しに出た。姿は見えないけれど向かいのマンションから聞こえる女の人の声がはっきりと聞き取れた。鍵を回せ、と言っている。子供の泣き声も聞こえている。おそらく小さな子供が家の中にいて、ゴミを出したのかなんなのか、母親がちょっと外に出た瞬間にその子供が鍵をかけてしまって母親が入れなくなってしまった、そして、子供はまだ小さくて鍵のことがよくわかっていなくて……ということなのだろう。ヒヨドリの鳴き声と女の人の声はその後も