Shin Yamagata

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3月8日
メッセージが届いていた。夜の7時半頃に電話してもいいか、という内容だった。誰に言っているのかわからなかった。このメッセージは他に三人読んでいた。そもそもその女とは電話をしたことがなかった。だいたい誰とも電話はしていなかった。誰も返事をしていないから返事をした。なに? 7時半頃に店を閉めるのだけど暗くてこわい、ということだった。店というのは女が働いている店だった。世間でオシャレと認定されているような店で、来る客もオシャレといわれるような人たちだけど、化粧を落として服を脱いで素っ裸になれば、どれも人間という動物で大した違いはなかった。その時間は特に何もしてないから別にいいけど、と返事をすると、神、という返事が来た。7時半の少し前にまだ仕事が終わらないとメッセージが届いた。晩ご飯を食べてラジオを聞きながら眠くなってきたところだった。わたしもまだ仕事が終わらない、と別の女からもメッセージが届いた。もう一人の別の女