Shin Yamagata

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6月18日
畑に里芋の葉が小さく開いている。トウモロコシはあっというまに背が伸びててっぺんにぴんぴんと花を咲かせている。そうすると、あの実がなっているところのヒゲはなんだろうか。実があるところに花が咲くとすれば、あのヒゲは花で、そうなれば、あのてっぺんの稲穂のようなものはなんなのか。花ではないのか。結局、トウモロコシのことは何も知らなかった。今すぐにでも調べたいのだけど、スマホを持っていなかったわたしは調べられない。運良く近くに図書館があることを思い出した。10分も歩かない間に図書館に着いた。コロナのせいで少し前まではカウンターが使えただけだったけど、今日は書架まで立ち入ることができるようになっていた。ただし、パソコンを使ったり、雑誌などの閲覧はできない、ということだった。検索して調べられないのだから図鑑で調べるしかないのかと思うと億劫になって、小説が並んだ本棚の前をうろうろしてしまった。そうして気になる背表紙に手をかけて読んでいるうちにトウモロコシのことは忘れてしまった。本を借りて図書館を出たところで、トウモロコシのことを思い出して、借りてまたすぐに