Shin Yamagata

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重機





外はもう夕方の光になっていて光の色が濃くなり影も少しのび始めていた。前を小さな犬を二匹連れておじさんが歩いている。そのおじさんを追い越しながら、片方の犬には青い服を着せているのにもう片方の犬は何も着せていないということを見ていた。そのときに後ろから来た原付バイクが僕とおじさんを追い越していった。バイクのエンジンの音が前方へ小さく消えていく。左斜め前にある団地の向こう側で民家を解体しているガシャンガシャンという音とそれを解体している重機のエンジンの音が響いているが、ここからだと解体の現場は見えない。道を左に曲がりまだフニャフニャしている新しい葉を出したばかりのモクレンの木の影を踏みながら歩いていると解体の現場が見えてきた。ダボダボしたズボンをはいているお兄さんが見えるが、ガシャンガシャンという音のせいでよく見えないような気がする。図書館へ着いたら図書館は閉まっていた。曜日の感覚がどこかでずれてしまっていたらしい。それも一日ずれていたとかではなくて三日もずれていて、どうしてこんなにずれてしまったのかよくわからないまま、またガシャンガシャンと音がなっている横を歩いて家へ帰った。