Shin Yamagata

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11月6日




夜にガスっているのがわかるのはそこに光があるからだ。街灯や車のヘッドライトによって照らされ乱反射するミスト状となった水は動きを止めることなく目の前を移動し続けている。ミスト状となった水は水滴とは呼べない。しかしそれは水であった。あなたは水の中を歩いている、しかし服は水浸しになったりはしない、それでもやはり少し湿った感じがする。衣服から露出している顔や手も同じように水に触れていることになるが特に湿った感触を感じないのはすでにこの状態に慣れてしまっているからだろうか、鼻から吸い込んだ空気中に含まれる水分はあなたの肺に到達している。あなたは水の中にいた。