Shin Yamagata

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11月16日

これはいいと思っていることを他の人がよくないと言った。わかってないなと思った。しかしわかってないのは誰なのか。そもそもわかってないなと思ったのは誰なのか。それはわたしだった。しかしそれはわたしではなかった。隣の女が言いはじめた。感受性は縮んだり広がったりはしない、そう言ったのがわたしだった。しかしわたしはそこにいなかった。そんなことも思っていなかった。庭の柿の木にカラスが止まっている。カラスは柿を食べたりはしない。赤い柿を突いて落として満足して飛び立った。季節は冬になろうとしていた。