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10月13日
台風一過。早朝の電車はやはり動いていなかった。タクシーなんてつかまらないだろうから、原付で出発することにした。道路は台風のせいであちこちにゴミが転がっている。踏まないように気をつけて都心部へと下っていく。ガラガラだ。こんなに空いている東京の道は走ったことがない。すいすいとストレスなく進んでいく。渋谷の信号でとまると、上の方にスマホのカメラを向けている人がいた。周りの他の人もそちらを見ている。反対側の歩道にはテレビカメラが来ていて、同じ方向にカメラを向けている。カメラが向いている方はビルに遮られて見ることができないのだけど、信号が青になった。進みながらそちらをちらっと見ると、建設中のビルの上にある赤と白のクレーンが折れているようだった。クレーンが折れているのは極端だけれど、ゴミが転がっていて、人が少なくて、いつもと違う風景が広がっている。ここまででも、カメラを持って歩道を歩いているおっさんや若人を何人か見かけた。こういう日に写真を撮りたくなる気持ちはわかる。でもそれは、旅行に行って写真を撮ることとほとんど変わらない。めずらしい風景というのは